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【読書】 脳と言葉を上手に使う NLPの教科書

 NLP神経言語プログラミング)という言葉を知って気になったので、「脳と言葉を上手に使う NLPの教科書」を図書館から借りてきて読んだ。

NLPとは

 NLPは1970年代、当時優れた成果を上げていた心理療法家たちを研究して、その方法を誰でも使えるように体系化したことに始まって、それが日常でも使えるように発展してきた。(p19)

神経(Neuro)
言語(Linguistic)
プログラミング(Programming)

 これらの頭文字をとってNLPと呼ばれる。神経(五感)を通して得られたものを言語化(意味付け)し、それがプログラミング(行動パターン)に結び付く。これらの関係を紐解いて、自由な思考、感情、行動できることが目的。(p20)

NLPの前提

 具体的な方法の前にNLPの基本的な考え方が挙げられている。(p24)

1、他人は変えられないが自分(の考え方)は変えられる
2、自分が意図したとおりに伝わらなければ伝え方を変える(伝え方に問題がある)
3、すべての感覚は五感で表すことができる
4、変化を起こすためのリソース(資源)は自分の中にある
5、誰もが現実を自分なりに解釈している(解釈を変えることで問題を解決できる)
6、行動でその人の価値は決まらない
7、どんな行動にも肯定的な意図がある
8、失敗はない(フィードバックに過ぎない)

 最近勉強していることや、自分の考えと一致している部分もあってかなり引き込まれた。

具体的な内容は...

 しかし、具体的な内容に移ったとたんに受け入れがたい部分が多くなってしまった。

 例えば人によって五感の使い方が違って、「視覚優位」、「聴覚優位」、「体感覚優位」に分類できる(p62)とか、目の動きからその人がどの感覚にアクセスしているか分かる(p74)とか、時間の感覚は「前後」「左右」の2タイプに分類できる(p196)とか。

 中でも、自分以外の視点に立って考えてみる「ポジション・チェンジ」という方法(p117)は、相手の行動の原因が自分にもあることに気づくために役立つと紹介されているが、これは「相手の考えが想像できる」ことが前提になっている危険な考え方だと思う。そもそも前提5と矛盾してないか。

その一方で参考になりそうな部分もあった。

 現実を自分なりに解釈する過程で変形(省略・歪曲・一般化)が起こる。その過程が不適切で問題が起こった場合は、質問によって解決に向かうことができるというのが「メタモデル」という考え方(p88)。不安に対しては具体的に何が不安なのか、何をやってもうまくいかないと思ったら本当にそうだろうか、自分に質問を繰り返すことで、問題を絞り込んだり、思い込みに気づくことができる。僕にも似たような経験があった。

hiki-jiritsu.hatenablog.com

 「ディソシエイト(分離体験)」(p181) では、自分を第三者の視点からイメージすることで、嫌な感情から距離を置くことができると考える 。今ある感情が自分のすべてと思ってしまうが、たしかにその感情を知覚している自分もいる。その時の感情でいっぱいいっぱいにならずに済むならそのほうがいい。

 NLPでは一人の中にもいろいろな面があると考えて、それぞれを「パート」呼んでいる(p214)。そのパートと対話することで、自分でも理解できなかった行動の真意を探ることができる。僕は自分の黒歴史を思い出して自己否定に陥ることがあるが、この考えにのっとれば自分の一部分を無理やり全体に押し広げていることになる。今まで嫌いだと決めつけていた人に対する見方も変わるだろう。

 僕はこれからアルバイト等でどんどん外へ出ていきたいと思っているが、一番の気がかりは批判をうまく受け止められる気がしないこと。批判されると自分丸ごと批判された気がしてしまう。受け止め方は批判されていくうちに身に着けるしかないと思っていたが、とりあえずの考え方としてはありかもしれない。

僕には合わなかった

 そんな感じでNLPは、良く言えば実用的、悪く言えば小手先のテクニックという印象を受けた。この本のあとがきには、「NLPで重要なのはテクニックではなく姿勢だ」と書いてある(p279)。確かに現状を何とかしたいという姿勢は大事だとは思うが、その姿勢があれば別にNLPである必要はないというか、「どうしてそうなるのか」という説明がまるで無かったので、どうしてもテクニック重視になってしまう気がする。

 僕には合わなかったが全く無意味とは到底思えないので、納得できる部分は取り入れてみようと思う。その理由は後からわかってくるかもしれないし、なにより「神経言語プログラミング 」という響きがいい。