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【読書】 愛着障害~子ども時代を引きずる人々~

心のこと 読書

ひょんなことから「愛着障害」と言う本を知って、Kindle版があったので早速読んだ。

愛着障害とは

アダルトチルドレン」という言葉は、記憶にある限りだとこの本の中で1度しか出てきていないけれど、不健全な家庭が原因で「生き辛さ」を感じると言う意味で、愛着障害とよく似ていると感じた。

いずれも正式な病名ではないし、否定的な見方をする専門家も多いらしい。前に読んだ「嫌われる勇気」という本にも、「トラウマなど存在しない。都合のいい言い訳に使っているだけ。」というようなことが書かれていた。

しかし、この本の中に書かれている愛着障害の特徴は面白いほどよく当てはまる。

母親に支配されて育った人の場合、母親には従順だが、思い通りになる存在をみつけると、その人を支配するという傾向がよくみられる(位置No.496)

母に僕がどんな子供だったか聞くと、「妹たちの面倒見がよく、わがままを言わないいい子だった」と言う。一方自分より弱いとみなした友達には強気に出て、からかったり、思い通りにならないとイライラしてさらにその友達が悪いと錯覚したり。

夏目漱石の場合)いたずらやけんかがひどくなって、叱られたり、否定されたりすることが多くなったが、それも、愛着障害の子どもの典型的な経過だと言える(位置No.815)

中学から高校生あたりに、妹と喧嘩したり、ちょっかいを出しては父親に怒られることを繰り返した。

子どもが人並みより抜きんでた能力や長所をもっていても、親はその子を否定的に育てるということがある(位置No.1115)

4月生まれと言うこともあってか、我ながらいろいろできる子供だったと思う。しかしほめられたことは一度もない。

自分の可能性を試すことについて、過度に不安を感じたり、あるいは投げやりで無気力になったり、最初から諦めていたりしがちである。(位置No.1596)

「どうせやっても無駄」が口癖であり言い訳だった。

キャリアの選択がなかなかできず、かといって十分な模索をするわけでもない。時間がかかった割には、わずかな見聞や情報だけで決めてしまうという傾向もみられている。(位置No.1614)

耳が痛いです。僕にとってはアプリ開発がまさにそれだった

hiki-jiritsu.hatenablog.com

傷つきやすくストレスに弱い。しかも、安心できる安全基地というものをもちにくい。そうしたなかで自分を支えていくためには、何らかの対象に依存するしかないということになる。(位置No.1618)

僕の場合は、依存の対象が自分以外の人すべてになっているんじゃないかと思う。

ある役割を本心から果たすのではなく、「演じている」という感覚をもちやすくなる。(位置No.1753)

「他人からどう思われるか」が先行して、そのためのキャラクターを演じる。母をはじめ、同類も見れば分かる。

三枚目やオッチョコチョイや道化役を演じることで、周囲から「面白い人」「楽しい人」として受けいれられようとする。(位置No.1757)

小学生高学年から3年ほど、クラスの面白い人ランキングの常連だった。ここではその例として太宰治の「人間失格」が載っている。僕も前に読んだとき、もしかして自分かもしれないとドキッとした記憶がある。

どこか超然とした達観があり、自分が対等なプレイヤーとして加わることを、最初から諦めている。(位置No.1780)

基本的に自分の生活にないことは他人事に感じやすい。

hiki-jiritsu.hatenablog.com

病院に行くのを億劫がり、治療をちゃんと受けない傾向が指摘されている。(位置No.2271)

これは笑ってしまった。僕もだいぶ歯をやられた。

hiki-jiritsu.hatenablog.com

相手の表情に対して敏感で、読み取る速度は速いものの、不正確であることが多い。ことに、怒りの表情と誤解してしまうことが多々ある。(位置No.2574)
自分が相手に送るメッセージに、相手が大きな関心をはらっていると思い込みがちである。「相手によく思われたい」という自分の努力に対して、相手も同じくらい気を留めてくれていると期待するのである。(位置No.2577)

「良く思われたい」という意図を相手が汲み取ってくれることを期待している。

相手に逆らえないということが、しばしばみられる。(位置No.2599)
他者というものを、自分を傷つけたり、非難したり、うっとうしく思う存在としてみなす傾向がある。また自分自身についても、取り柄のない、愛されない存在と思いがちである。(位置No.2614)

基本的にはみんな敵だと思ってしまう。

ひきこもろうとする人間嫌いの面と、人の反応に敏感で、見捨てられ不安が強い面の両方を抱えているため、対人関係はより錯綜し、不安定なものになりやすい。(位置No.2696)
「自分が他人から受けいれてもらえる」と信じることができない。自分のようなものは誰にも愛してはもらえないだろう。自分のことさえ嫌っている自分など嫌われて当然だという、根源的な自己否定を抱えやすいのである。(位置No.3089)
期待に背くことで見捨てられてしまうかもしれないという不安と、しかし、依存から脱して責任ある存在として自立したいという欲求との間で、ジレンマを感じている。(位置No.3188)

まさに今の自分。でも昨日母と話して、いつも応援してくれていると確信が持てた。

hiki-jiritsu.hatenablog.com

購入する前に見た、この本について書かれたこちらのページがとても分かりやすい。

susumu-akashi.com

愛着スタイル

この本の中では「愛着スタイル」を以下の4つのカテゴリーに分類している。
(位置No.2157)

・回避型(親密な関係を避ける)
・不安型(完全な親密さのある関係を求める)
・安定型(どちらもあまりない)
・恐れ・不安型(両方を併せ持つ)

巻末にある「愛着スタイル診断テスト(位置No.3493~)」をやってみた結果。
安定 : 1
不安 : 12
回避 : 10

見事なまでに「不安型」と「回避型」を併せ持つ、「恐れー回避型」だった。
一見すると不安型と回避型の特徴は正反対なので、自分に照らし合わせて考えようとする分かりづらい部分も多かった。

勇気づけられた箇所

現実を突きつけられるだけでなく、自分の境遇と重なることが書かれていて勇気づけられた箇所も多い。

安定型の人は、不安定型の人を安定させる働きがあるのである。(位置No.2899)

家族の中で下の妹だけ唯一異質な感じがあって、それは愛着スタイルでいう「安定型」と言い換えると腑に落ちる。妹と話すと、僕が一人の人間として尊重されていると感じる。素の部分を見せてくれるから信頼されているとも感じるし、話していて心から楽しい。

エリクソン自身が愛着障害を抱え、それを克服しようとして、苦悩しながら模索してきたことが、同じような困難を抱える者の支援に役立ったのである。(位置No.2912)

心理学者の「エリク・H・エリクソン」自身が愛着障害を克服してそれを生かすまでの過程が、今僕が目指そうとしていることと同じで自信になった。

過去の傷と向かい合う段階を徹底的に進めていくと、ある時期から変化がみられるようになる。否定的なことばかりを語り尽くした後で、楽しかった経験や親(や養育者)が自分のために骨を折ってくれたことをふと思い出して、「そういえばこんなことがあった」と語ったりするようになるのだ。(位置No.3267)

両親に疑いの目を向けることを知ってからもう3年くらい経つ。否定し続ける自分に嫌気がさしていたけれど、まずそういう過程が必要だと書いてあることで少し楽になった。

それからそれを乗り越えるという意味では、昨日母と会話して得られたことがターニングポイントになる気がしてならない。

愛着障害は、夫婦関係の維持や子育てに影響しやすいという特性をもつ。その結果、子どもにしわ寄せが来て、子ども自身の愛着の問題へとつながっていく可能性がある。そんな負の連鎖を断つためにも、自分のところで愛着障害を克服することが重要になる。(位置No.3455)

全ては起こるべくして起こったことかもしれない。でも「だから自分はこんな風になってしまった」と嘆くのは損だと思う。その出来事をどう捉えて生かすかは自分が決められると最近考えられるようになってきた。

そういう意味では「嫌われる勇気」に書かれていたことに通じる部分もあって、意外とこの本に書かれていることと真逆ではないのかもしれない。

Your Highlights

僕はもっぱらKindleで読書してきたけれど、今回始めて「ハイライト機能」(マーカー)を使いながら読んだ。 今までは本当に自分に必要なことならどこかで覚えているはずだ思っていたけれど、こうして振り返ることもできるしこれからは積極的に使おうと思う。ハイライトした箇所は、以下のURLから見ることができる。

https://kindle.amazon.com/your_highlights

 

愛着障害?子ども時代を引きずる人々? (光文社新書)

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嫌われる勇気

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